「なーにいろ―?」


鬼から離れた場所でそう聞くあたし。


鬼になった和夫は公園内を見回して考える。


できるだけ難しい色の方がいい。


遊具に使われていない色の方がいい。


「白色!」


和夫の声が響き渡ると同時に、あたしたちは駆け出した。


遊具にはいろんな色が使われている。


赤、青、黄色、紫。


だけど白という単調な色はなかなか見つからない。


ありそうでない色だった。


だけどあたしはこの公園内で唯一白を使っている遊び場を知っていた。


それは砂場だった。


砂場を半周ほど取り囲むように立てられているブロック塀には、白いペンキでウサギの絵が描かれているのだ。


あたしはすぐにそちらへ走った。