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生徒玄関へと向かいながらあたしは渉に連絡を入れた。


理子が外にいるかもしれないと伝えると、すぐに行くと言っていた。


靴を履き替え外へ出る。


グラウンドからは相変わらず体育部の声が聞こえてきている。


あたしはそのグラウンドが見える位置まで移動した。


しかし、その中に愛子と理子の姿は見えない。


部活の中に紛れていればきっとすぐに見つけられるのに。


「梢!」


呼ばれて振り向くと、渉が息をきらしながら走って来た。


「渉、2人ともいた?」


「いや、ここに来るまではいなかった。グラウンドは?」


「グラウンドにもいないみたい」


「なら、後は校舎裏か、体育館か……」