文化部に所属していないあたしは見慣れない生徒らしく、先生はあたしをみて首を傾げた。


「えっと、1年の橋田と言います。あの、ここに1年生の秋元愛子さんと上原理子さんが来ませんでしたか?」


2人とも部活には入っていないから、先生が知っている可能性は少なかった。


だけど、女性教師の方が理子の名前に反応した。


「上原さんなら、30分ほどまでに外で見かけたわよ?」


30分前!?


丁度あたしはこの棟を探し始めたくらいの時間だ。


その頃、理子は外にいた?


「あ、ありがとうございます!」


あたしは先生にお礼を言うと、すぐに職員室を後にしたのだった。