「とにかく、この写真はここでちゃんと供養した方がいいだろうな」


汗をぬぐいながら叔父さんはそう言った。


「でも、この写真は一枚じゃないんだ」


「なんだって?」


叔父さんが目を見開いて渉を見た。


「ここに写ってる全員が同じ写真を持ってる。それを全部供養しなきゃ、意味はないんだろ?」


「そう、そういうことになる」


叔父さんは目だけで写真に写っている人数を数え、ため息を吐き出した。


「梢、行こう。みんなの写真を集めて来るんだ」


「え? あ、うん」


あたしは頷き、叔父さんにお礼を言って渉の後を追いかけたのだった。