「ほんと、ごめん」


コンビニ袋を膝に置いた渉が、あたしへ向けて頭を下げてきた。


「え? な、なにが?」


「お前が1人きりになったのって、昨日俺が霊感があるなんて話をしたからだろ?」


「あ……。ううん、そんなの関係ないよ。だって、あたし自分からみんなにカミングアウトしたんだから」


あたしはそう言い、ブンブンと首を振った。


渉が隠し事をちゃんと話してくれたから、あたしも話そうと思えたんだ。


そうじゃないと、あたしはずっとみんなに自分の霊感について話すことはなかっただろう。


そう考えると、渉には感謝したい気持ちの方が強かった。


「でも、結果的に受け入れてもらえなかったら、辛いのは梢だろ」


「それは……きっと大丈夫だよ」


なんの根拠もなかったけれど、『大丈夫』という言葉を口に出して言ってみると、心が少しだけ軽くなった。


「本当か?」


案の定、渉は疑いの目をあたしに向けている。