「悪い、俺のせいだ」


そんな声が聞こえてきてハッと顔を上げると、そこに渉が立っていた。


あたしは驚いて息を飲む。


「いつの間に?」


「お前が1人で教室から出ていくのが見えたから、こっそりついて来たんだ」


そう言う渉の手にはコンビニの袋が握られていた。


あたしがお弁当箱を持っている所も、ちゃんと見ていたようだ。


「そうだったんだ」


全然気が付かなかった。


「隣、いいか?」


「う、うん」


渉と2人きりだと思うと、途端に緊張してきてしまう。


すぐ近くに渉の香りと温もりを感じることができた。