美津が一生懸命説明してくれた。


それは美津の親戚にあたる写真家の人だったそうだ。


あたしたちが丘に行く前に1人で撮影しに行き、そして今も何事もなく暮らしているのだそうだ。


「その人の写真には、なにも写ってないの?」


愛子がそう聞くと、美津は小さく頷いた。


その写真家の人には、きっと霊感がなかったのだろう。


あたしはぼんやりとそんなことを考えたのだった。