「もしかして、2人がいたから変なものが付いて来たんじゃないかなって……」


小さな声で、だけどハッキリとそう言った美津。


あたしは一瞬言われたことを理解できなくて、ぼんやりとその場に突っ立っていた。


「ほら、霊感のある人が幽霊のいる場所へ行くと、成仏させてくれると勘違いして近づいてくるとか、よく聞くでしょ?」


美津の言葉にあたしは「あぁ……」と、空気が抜けていくような声を出していた。


「美津、なんてこと言うの?」


愛子が美津をたしなめようとしている。


あたしは何もできず、その場に突っ立っているだけだった。


「だって、あの場所は他の人たちだって撮影場所として使ってるんだもん」


美津が愛子を睨むようにしてそう言った。


「他の人たちって誰のこと?」


「あたしたちみたに、集合写真を撮る人もいるだろうし、街の景色を撮る人もいる。あたしたちが写真を撮った同じ日に、風景写真を撮った人がいたの」