闇丘の過去について知る事はできたけれど、肝心のモヤの存在はわからないままだった。


それでも事態は少し進展したように見えて、あたしの心は軽かった。


あの丘で自殺した人の呪い。


今の所その考えが一番有力そうだ。


「確かに、あの丘へ行くと寒気がするんだよな」


帰りながら渉がそう言った。


「え?」


渉の隣を歩いていたあたしは驚いて目を丸くした。


「それだけじゃない。写真を撮った時に何かがいたな感じがした」


「本当に?」


前を歩いていた愛子が振り向いてそう聞いて来た。


渉は頷く。


あたしはジッと渉を見つめていた。


嘘を言っているようには見えないし、こんな時にこんな冗談を言うとも思えない。