「もしかして、闇丘を綺麗によみがえらせようとして木を切ったのかな?」


美津が言った。


「木を切って、みんなで使えるようにする前に、あたしたちがあそこに踏み入れたのかも……」


美津がそう言い、身震いをした。


あたしはそんな美津の手を強く握りしめた。


「闇丘での自殺は大人たちは知っていることだからな。ちゃんと供養をしてから使えるようにする予定だったのかもしれない」


彰が言った。


「やっぱり、これは呪いだよ。あの写真のモヤの人物が引き起こしている呪い」


理子が大きく息をしてそう言った。


あたしは新聞へ視線を向けた。


新聞には闇丘で亡くなった人の記事は乗っていなかった。


自殺だからか、臓器の一部がなくなっていたからかわからないが、みんな明るみにしたがらないでいるようだった。
「で、モヤの顔の人物はわかったのか?」


渉が翔太へ向けてそう聞いた。


すると翔太は「いや、それはダメだった」と、肩を落として言ったのだった。