☆☆☆

准一の葬儀は滞りなく終わった。


これで2人の友人を失っただなんて、やっぱり実感は湧いてこなかった。


きっと、これからなんだろう。


時間は時に現実を突きつける材料となり、あたしたちの心を傷つける。


時間が傷をいやすのはその後の話なんだ。


あたしたちはクラクションを鳴らして走って行く霊柩車を見送った。


あたしたちが参加できるのはここまでだ。


「行くか」


渉の言葉にあたしたち6人はゆっくりと歩き始めたのだった。