あたしはまずテーブルの上を調べ始めた。


テーブルの上には読みかけの本が積んである。


ファンタジー小説のシリーズものだ。


分厚い本は乱雑に積んであるように見えて、下から順番に積まれているのがわかった。


准一の几帳面さはこういう所で出ていたようだ。


本の間になにか挟まっているかもしれないと思い、ひとつひとつ丁寧に確認していく。


しかし、なにも見つかることはなかった。


シオリは最新刊の真ん中辺りで泊まっていて、それが准一の生きていた時間の最期を知らせているように見えた。


「写真だ」


机を調べていた渉がそう言ったのであたしは振り向いた。


引き出しの一番下を開け、中を確認している。


その手には分厚いアルバムが持たれていた。


表紙は皮でできていて、随分と年数が経っているのがわかった。


「すごいぞ。准一の生まれた時からの写真だ」


その言葉に興味を持った面々は渉に近づいた。


アルバムの最初には生まれたばかりの准一の写真が挟まれていた。


とても小さくてシワシワの顔。


髪の毛もちょろっとしか生えていなくてサルみたいだ。


「プッ! 可愛い!」