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あたしたちが准一の部屋を見てみたいと伝えると、准一のお母さんは快く承諾してくれた。


准一の部屋は二階の手前の部屋で、12畳ほどある広い場所だった。


そこにベッドと机とテーブルと本棚が置かれている。


その周りには本棚に入りきらなかった雑誌が散らばっていた。


「准一ってもっと几帳面なイメージだったなぁ」


部屋の中を見た美津がそう呟いた。


「そうだな。俺たちの知ってる准一なんて、ほんの一面だったんだろうな」


渉が部屋の中を見回してそう言った。


出会い系をするようには見えなかった准一。


部屋も、もっと整理整頓されていると思っていた。


だけどそれはあたしたちから見た准一の姿だったんだ。


誰にだっていろんな顔がある。


わかっていたハズなのに、少しだけ胸のあたりが痛んだ。


友達に見せている顔ってどのくらいなんだろう?


あたし自身意識して来なかった疑問が浮かんでくる。


「さ、ちゃっちゃと調べようぜ。准一に申し訳ないからな」


翔太の言葉を合図にして、あたしたちは准一の部屋を調べ始めたのだった。