「えー!まだ出てなかったのー?」


「すげぇ探したけど、なかった。明日、また探してみる」


ローテーブルに置かれたコップを口元に運んでいき、麦茶をゴクゴクと飲んでから、幼なじみの翔真がそう言った。



「えー残念…」



今日は大好きな漫画の新刊を読むんだってウキウキで翔真のとこにやってきたのに…。


「ちゃんと探したのー?」


「はぁ?俺の部屋、お前専用漫画喫茶じゃねーし。どうしても読みたいんなら自分で探しに行けば」


翔真はそう言うと、正面に座る私のおでこをツンと人差し指でつついた。


「ブー」

おでこをつつかれて、私は口を尖らせてそう言う。