彼が去るのを見ていると
彼がいきなり振り返って
私に向かって走り
私をぎゅっと抱きしめた
ふわっと心が浮くような感じがした
懐かしい気持ちに全身が包まれたようだった
「いきなり抱きしめてごめんなさい!」
そう言って彼は慌てて私から離れた
彼の顔をもう一度見たとき
無意識に私は「クロちゃん?」そう彼に聞いていた
そんなわけがないのになぜかクロちゃんのように感じた
「ごめんなさい!なんでもないです!」
慌てて彼に言い、顔を覗くと彼はボロボロと涙をこぼしていた