星空。
冷たい空気。
風がカーテンを揺らす。
窓から外を見つめている雛乃。
   
「ダメやろ?ちゃんと寝てないと。」

雛乃の肩にカーデガンをかける博貴。
   

「亮は?」


泣き腫らした真っ赤な目。
   
「もう大丈夫や。心配あらへん。」

優しく微笑む博貴。
   

「そうなんや…。」


うつむく雛乃。
再び沈黙が包む。
   
「うちな…分かれへんねん。亮のことどう考えても…やぱっり許せへんねん…。神様は意地悪や…。」

涙を溜めた目。
   
「雛乃。」

切なそうに雛乃を見つめる。
   

「だってそうやろ?章大が死んだのに何で亮は生きてるん?」


そっと後ろから雛乃を抱き締める。
   
「雛乃。あれは事故やってん。」

「そんなん分かってん。せやけど…せやけど…。」

博貴の胸で泣き崩れる雛乃。
何も言わず強く肩を抱く博貴。