優しく抱きしめる先輩の熱が伝わってくる。 そこで私は、一気に紐が解けたように心の中から恐怖が蘇った。 それと一緒に安心感まであるから、収集がつかなくて。 「……うっ、先輩……怖かったよぉ」 「泣け泣け。俺の胸ん中で思いっきり泣け」 「うっ、……うぁぁ……ん」 涙腺は崩壊。 静まり返る教室の隅、私は先輩の温もりに包まれて泣き続けた。