その子は一瞬びっくりした後、親切に来栖の家を教えてくれた。

私は木ノ葉に事情を話した。

「わかった。先生には長崎さんは早退しましたって言っとくから。安心して言ってきなさい」

と言ってくれた。

そして、私の耳もとで

「気持ちもちゃんと伝えてきなさい」

と言ってきた。

私は少し戸惑いつつ、いってきます、と言って、荷物をもち、教室をあとにした。