来栖に対しての気持ちにやっと気づいた私は、自分から来栖に会いに行くことに決めた。

木ノ葉にごめんと言うと、私は乃々香が幸せになってくれるならそれでいい、と言って笑ってくれた。

でも、多分、木ノ葉はまだ来栖のことを…好きだとはおもうんだけど。

自分でも最低だと思う。

だって、木ノ葉が好きになった人を好きになるなんて。

しかも、私は…初恋、だ。

まさか、あんな最低なやつに、自分が恋するなんて思っても見なかった。

でも、好きになったんだから、ちゃんと気持ちを伝えないと。

そう思って一週間、探したけど見つからなかった。

来栖の教室へ行ってもいない。

どうしたんだろう。

私は来栖のクラスの人にきくことにした。

「あの…」

私はドアの前にいる女子生徒に声をかけた。

「何、あんた」

返事をしてくれたので、私はその子にきくことにした。

「来栖って、どこにいるかわかりますか?」

そう聞くと、驚いた顔をした後、目で私をしたさだ目するように見てきた。

「…あんた、勝利のもと遊び相手?真面目そうだけど」

「いえ、違います」

「まあ、どっちでもいいんだけどね。私も遊ばれた身だし」

そう言われて、ドックンと鼓動が鳴った。

痛い…。

これが、嫉妬というものか…。

私が心臓を押さえていると、

「でも…」

という少し抜けた声をその子は出した。

「最近は遊んでくれなかったんだよね?追いかけたい子がいるって。面白い子を見つけたって言ってた」

そう聞いた途端、ほっとして、嬉しくなった。

「そう、ですか」

私は嬉しさがにじみ出るような声がでた。

ますます、来栖にこの気持ちを伝えたくて、居場所を聞いた。

しかし、予想外の答えが返ってきた。

「勝利なら、一週間以上前からインフルエンザらしいよ」

えっ?

インフルエンザ?

私はかかったことはないけど、木ノ葉がかかってお見舞いに行った時、とてもしんどそうだった。

来栖も、苦しんでるのかな?

そう思ったら、自然と口が開いていた。

「あの、来栖の家ってどこかわかりますか?」