木ノ葉に先に部屋に入ってて、というと、私は台所からジュースやらお菓子やらをひっぱりだして部屋に向かった。

部屋に入ると、早速お構い無しに私のベッドに寝転がっている木ノ葉が目に入った。

「木ノ葉、ほんと遠慮ないよね」

「だってー、何年の付き合いだと思ってんの?今さらでしょ?」

「まあね。私、やっぱり木ノ葉のそういうところ大好き」

「私も乃々香の人のことを一生懸命考えてくれるところが大好き」

そう言って、木ノ葉が急にベッドからおりて、ミニテーブルの前に正座をした。

急な行動に私はびっくりしてしまった。

「ど、どうしたの?こ、木ノ葉…」

オロオロしながら聞くと、木ノ葉が何かの覚悟をした目で私を見据えてきた。

だから、私も正座をして、木ノ葉が何か言おうとしているのを聞く姿勢をとった。

そして、木ノ葉が口を開いた。

「さっきも言ったけど、私は乃々香の人のことを一生懸命考えてくれるところが大好き。だから、私が今思っていること、正直に言っていい?」

「…うん」

「私は乃々香が悩みを私にすら相談してくれないのが一番嫌だし、そういうところは好きじゃない」

はっきりとした口調でちゃんと目をみてそう言ってくれた木ノ葉に、私は嬉しくなった。

それと同時に図星をつかれて、少し戸惑った。

「…なんで、悩んでるって思ったの?」

「何年いたと思ってるの?木ノ葉が悩んでるなんて
すぐにわかるわよ」

「私は…「言い訳はいらないから」

私は木ノ葉に迷惑をかけたくなかった、と言いたかったが、木ノ葉によって遮られた。

「乃々香は私に迷惑かけたくないって思ってるんでしょ?」

またまた図星をつかれ、何も言えなくなってしまった。

「…私はね、乃々香。頼って欲しいんだよ。昔からそうだった。私が小学校の時、学校で一番人気だった男子が私を好きになっちゃって、付きまとわれたとき、その男子が好きだった女子たちが私をうらんでいじめようとしたのに気づいた乃々香は私の代わりにやられてたんでしょ?私が気づいたのは、いじめようと企んでいた女子たちから言われてから。私はなにも知らずに、毎日過ごしてた。乃々香は私にいつも笑って話しかけてくれてたから。全然気づけなかった。親友が苦しんでいたことなんて…。わ、私、最低だよ…」

そう言って木ノ葉は泣き出してしまった。