私は木ノ葉と来栖との間にあったことをきいて、ますます来栖を嫌いになった。

そこまでひどいやつだとは思わなかった。

つきあって次の日に振るなんて…。

でも、別れた原因は私にもあるのか…。

私が来栖にビンタを食らわせてしまったから。

でも、普通、そんな原因をつくった私を責めるはずなのに木ノ葉はなんでしないんだろう。

「…ねぇ、木ノ葉。ひとつきいていい?」

「うん…」

「遊びで付き合ってまで好きになった来栖と別れることになった原因をつくった私を…責めよう、とは思わないの?」

恐る恐るきいてみると、少し複雑な顔をして、しぶしぶ答えてくれた。

「ごめんなさい…。私、本当は、乃々香のこと、責めるつもりだったの。でも、こうやって心配して、話をきいてくれようとしてくれたのを見たら、乃々香を責めるのは間違ってるって気づいたの。乃々香は私のためを思ってしたことなのに…。本当にごめん…」

そう言って、頭をさげてきた。

私は予想外の行動をされて、とまどってしまった。

「こ、木ノ葉。顔をあげて。私こそほんとごめんね。勝手なことして。私、来栖が許せなくて…」

私が申し訳ない顔をすると、木ノ葉はブンブンと顔をふった。

「違うよ、乃々香。ありがとう、私のために。来栖のこと叱ってくれて。やっぱり、私の親友だよ」

「そう思ってくれたら嬉しい。私はいつでも木ノ葉の見方。ずっと親友だよ」

そう言って笑うと、木ノ葉も笑ってくれた。

その後、教室に戻ると、三時間目の授業担当だった先生が私たちを待ち構えていて、こっぴどく叱られてしまった。