【第1章】小学校

10月・席替えの日
「えー誰だろ〜好きな人と隣がいいなぁ〜」
クラスがザワつく席替えの日
私も密かに好きな人と隣がいいと思ってた。

そして、隣は1度も話したことがない「田中くん」だった
(はぁ〜。怖いなぁ)
「ゆーめ!どうしたんよ。暗いなぁ!」
そう言って声をかけてくれるたった1人の親友
"夏向のぞみ"
「どぉーしよぉー!のぞ!うちの隣の席、田中くんやった。めっちゃ怖いし喋った事ないねん!」

「大丈夫やって。夢はそもそも男子と喋らんやん!話しかけてみー?」

そう言ってのぞみは私を勇気づけてくれたけど、正直私はこの人と喋れる気がしなかった

パサッ(あ。落ちちゃった…)
田中「なに?」
「えっと…プリント落ちちゃったんやけど、取ってくれへん?」
田中「…」
「ありがとう。」
(拾ってはくれたけど無理だよ!無愛想すぎるよ!怖いよ…)

学校は好きだけど、憂鬱だった。隣の席は怖い人だし班の子は喋れる人いないし。

のぞみとは班が離れて喋れる距離ではなく、完璧に孤立していた。