地下駐車場では、出入口で既に麻里花が待っていた。

「悪い、待たせたな。お疲れ様、麻里花」

そう微笑んで肩を抱き寄せ頬にキスをすると


「もう、誰が来るか分からないんだから気を付けてよ!彩人くんもお疲れ様。」


そうニコッと返してくれた麻里花。

手を繋いで俺の車まで行き鍵を開けて助手席に麻里花を乗せる。

そうして閉めてから自分も運転席に乗りエンジンをかける。


地下から通りに出てしばらくして信号で止まったところで麻里花を見つつ切り出した。


「麻里花、俺との事で部署や社内で何か言われたりされたりしてないか?」


そう聞くと少し顔を曇らせた。

やはり既に何かあったようだ。

「彩人くんとだからね、多少は何かしら言われたりしたけど大したことないから大丈夫だよ。」

そう言って微笑む麻里花。
でもその微笑みもいつもよりぎこちない笑みだ。

「今日もう麻里花の荷物は届いているよ。明日の休みに片づけられるように桜さんに今日届く様に送ってもらって実家から家政婦さんに来てもらって荷物は受け取ってもらっているから。」


そう言うと麻里花は少し驚いた顔をした。

「荷物明日って言ってたよね?1日早くしたの?」