「明日からお弁当と夕飯、作りましょうか?」 最寄駅まで彼女を送り、改札の前で立ち止まった彼女がいきなりそう言った。 「え?」 「私でよければなんですけどっ」 彼女は俺が迷惑だと思っているようだ。 そんな訳がある筈もない。 「いや、悪いよ。そんなことっ」 「いえ、……自分の分だけを作るのは味気ないのでせっかくなら食べてくれる人がいれば張り合いが出るから」 やっぱり彼女は、遠慮がちだけれど、相手にノーと言わせない芯の強さがある。 甘えてしまった。