気付くのが遅かった。 いや、好きになる事がもはや間違いなのだろう。 この前まで利用するか警戒するかのどちらかで、それは優さんも同じだ。 なのに恋しいなんて…私は自分の愚かさに嘆いた。 それに、今更どうしようも出来ない。 明日、彼に何処かへ連れていかれて、さよならだ。 きっと二度と会う事さえない。 私はスーツケースをパタリと閉める。 明日、優さんの顔を見る事は出来るかしら。 色んな事が次々と頭に浮かぶ。 どれも今まで考えた事がないような事で、私は柄にもなく戸惑ってしまった。