私はプリントアウトしたものをクリアファイルに入れて、鞄の中に入れる。
学校で渡すのもどうかと思うけど、早い方がいいわよね。
その方が…
そこまで考えて、私の思考は止まる。
何を考えているんだろう、別に伊藤のためにやってるんじゃないわ。
伊藤を使って、父親に復讐するのが私の目的だ。
私は冷静になるために、部屋の鍵を閉めて、遺書として残そうとしたものを探す。
それから中身を読んで、今までにあった事を思い出した。
冷静になる事は出来なかったが、怒りで伊藤の事なんて忘れてしまえた。
と同時に、こんな奴が廊下の向こうにいると考えるだけで、どうしようもない感情に悩まされる。
そうだ、私はあの時聞いたんだ。
そして誓ったんだ。
榎本悟郎という男を陥れる事を。



