Love Summerー幼なじみを卒業ー

どこまでも恐ろしい母親(オンナ)に、私たち子供は絶句。

信じたいけど、信じたくないオカルトのような話に、おばさんは禁断の写真を出して来た。



「「悠李じゃねぇか!」」



「いや、ママだよ!」



お兄ちゃんたちが言うように、私に似た……私がそっくりになっただけだけど、とりあえず似たママが、“特攻隊長(薔薇)真彩”という刺繍が背に入った特攻服を着て、木刀を持ち、煙草を銜えたママが、男女が入り混じる仲間を引き連れて映ってる。

他の写真では、幹部会なのか、おじさんの横で、脚を組んで椅子に座ってたりしてる。

どれもメンチを切るママ。

この迫力に衰えはないのかと思う程、若い頃からこんな人だったのか;;

巻き巻きの金髪ロング。

真っ赤な口紅と、やたら太いアイライン。

パパとの結婚式の写真とは、全くの別人ではないか;;



「どうしたら親父と知り合うんだよ!;;」



「知らねぇよ」



嫌がる永君にしがみつき、写真のママに怯えてる慧汰氏(情けない男)の、ごもっともな疑問に、私もおばさんに目で訊ねる。

ママはたまたまとしか言わないから、密かに気になって居たけど、話すような人じゃない。

パパもママに怯えて絶対に言わない。