「…………。永、ちょっとおいで」



「……はい」



「悠李。悠李はおじさんたちと話そう」



「わかりました」



それぞれの家の権力者が、手を差し伸べた為、今のところは咎めなし。

おっさんが悠李を連れて我が家に入り、母親は、親父も連れて3人で、どこかへ歩いて行った。



「メイク落とす?」



「そうだな」



着替えも桜澤家の為、愛叶と戻ってメイクを落とし、着替えてビール。

さっきの母親の顔、マジだったな。

殴りそうとか、キレそうとかじゃねぇけど、逆らったら危険ではあるが、何かしら、悠李と永君の両方の気持ちと向き合い、両方の気持ちを尊重しようとか、難しい事でも考えてるんだろうな。

16で、結婚して出産。

専業主婦になっても、若ママと笑わせないと、兄貴の進学の度に勉強したり、楽天家に見えて努力家。

子育てに人一倍の自信も持ってるし、永君も息子同然。

2人とも幸せに、したいんだよな。

そんな愛叶の気持ちもわかってるから、馬鹿な作戦だと思ってもやらせた。

親子を何年やってても、わからねぇとこばっかだし、すぐキレるけど、やっぱ嫌いじゃねぇ。

俺にとって。

俺たち兄妹にとって、自慢の母親。

良い母親だ、あいつ(ママ)は。






ー/悠汰SIDEー