「おぉ、おかえり!」



「ただいま」



「慧汰-ケイタ-君、早いおかえりでどうしたんですかー?兄貴から呼び出しとか?」



「そう。正解」



私も何か引っ越しのお手伝いをしようと、今度は桜澤家に帰宅。

そこで何の違和感なく、平然と出迎えたのは、私の一番上のお兄ちゃんの慧汰。

穏やかな口調ながら、Vシネマに出てそうと言われてるお兄ちゃん。

解禁シャツに黒いジャケットが、今日はより迫力向上をさせて居る。

これが外だったら、職務質問をされそうだ。

私たちの通う高校に来れば、警察に通報されるだろうな。



「お前、そういうくだらねぇ嘘止めろ。その指詰めてやろうか」



「ただ俺と愛叶のコミュニケーションだろ?おっかねぇ事を言うなよ!」



逆に、爽やかイケメン。

お兄系ファッションで、私が物心付いた時にはお兄ちゃんと並んで人気者だった、愛叶のお兄ちゃんの永君は、口がやたら悪い。

永君の容姿で、お兄ちゃんの性格ならかなりモテたと言う噂もある2人。

実際、噂じゃなくてもそうなんだけど、ここの友情も不思議。

幼なじみでなければ、交わってない筈。

ビビりだし、この慧汰(オトコ)は……。

パパが良く言ってたな。

悠汰-ユウタ-(次男)の方が、長男ぽくて、男らしいって。

ようは見掛け倒しって話。