「何かありましたか?悲鳴が聞こえたと通報……おい」



「……お兄ちゃん;;」



「「「『“お兄ちゃん”!?』」」」



「悲鳴は……お前か」



「「「『“お前か”??』」」」



「やべぇよ!;;お巡り身内だぞ!;;」



「でも、悪気なんてなかったもんね?ねっ?;;」




「――ここは飲酒禁止だろ。身内だろうと、悪気がなかろうと関係ない。黙ってろ」



「まぁまぁまぁ!;;」



「何が“まぁまぁまぁ”だ。去年、言わなかったか?高校生が、こんな時間までウロチョロするなと」



「まだ21時だけどね」



「――黙れよ」



「はい……っ;;」



職務を果たしながらも、キレてしまってる永君。

私が持ってた飲みかけの水を膝に掛け、ハンカチを巻いて応急処置をしてくれるも、いつもより近くで睨まれて、大人しく黙る。

永君と共に見回りをしてたおじさんのお巡りさんが、私にぶつかった女性たちグループを、臨時の交番へと連れて行く。

私も永君と愛叶に手を借りて立ち上がり、後ろをついて行く。

何やら事情を聞かれるようだ。

事情も何も、ぶつかられただけなのに。

これでは怒られても、早くは帰れない。

救急箱があるなら借りて、ちゃんと消毒しよう。