どうしてこうなってしまったんだろう。
私は皐月くんが大好きで、最初からずっと皐月くんだけを見てた。
永瀬くんのことは好きだけど、皐月くんに対する好きとは全くの別物。
永瀬くんが私のことを想ってくれてるのは薄々感じてはいたし、真っ直ぐな言葉に少しドキドキしたりはしたけど、でも、だからといって皐月くんと別れて永瀬くんと一緒になりたいなんて思ったことは一度だってない。
私は、皐月くんだけが好きだった。
明るくて優しくてかっこよくて、一緒にいれることがすごく嬉しくて。ずっとずっと一緒にいたいって、ちゃんと思ってた。
なのに、どうして……?
「皐月く……もうや、めて……!」
「やめない」
「なん……で」
啄んでは離し、角度を変えて啄んでは、皐月くんは私の呼吸も声も飲み込んでいく。
いつか皐月くんと体を繋げる日がくるのだろうかと、想像することは少なからずあった。
でも、実際に繋がっている今のこの状況と、想像していた状況があまりに違いすぎて胸が痛む。
皐月くんはきっとすごく優しくて、大事に大事に抱いてくれるんだろうなって、ずっと信じてたのに、今、私を抱いている皐月くんの腕は乱暴で、ぎしぎしと私の体を痛めつけている。
一層激しく打ち付けられる腰の動きに、頭の中が真っ白に弾け飛ぶ。
奥を何度も深く深く突き上げられて、苦しくて苦しくてたまらない。
ひたすら与えられる恐ろしい刺激の連続に、どうすることもできず、私は首を横に振った。
「あっ……皐月く……もう、だ……め!」
「顔……背けんな……」
皐月くんは私の顎を掴むと、強引に真正面を向かせた。
はあ、と艶っぽい息を吐き出して、余裕が無さそうに歯を食いしばっている皐月くんの表情に、胸の奥が跳ねた。
「ちゃんと見て……俺の、顔……」
「あ、あぁっ……あああっ……!」
「お前を奪ったのが俺だってこと……一生忘れんなよ……!」
一際強く奥を突かれた瞬間、私の中で皐月くんがビクリと弾けた。
どくどくと、心臓のように私の中で脈打っているものが熱くて、そこから溶けてしまいそうだと思った。
ズルリと中から引き抜かれると、すぐに脱力感に襲われて、意識が白み始めた。
