ここの所、やけに隣が大人しい。
相変わらずお互いの呼び出しは減らないけれど。
こいつは「NO」と言い続け、オレも「NO」と言い続けてる。
 
 
 
……そろそろ、進展があってもおかしくないんだけどな。
そう思ってチラリと横を向くと、珍しくテキストを眺めている七彩。
 
 
「珍しいな。ヒョウでも降るんじゃねぇの?」
 
「んー…」
 
「なんだよ、人の話、聞いてんのか?ばか七彩」
 
「んー…」
 

色素の薄いロングヘアを、さらりとかき上げて、七彩は気もそぞろな生返事ばかりを、さっきから繰り返す。
 
オレはムッとして更に言葉を続けた。