「隣じゃなくなったら、また話せなくなっちゃうのかな…?」
 
 
そう思ったら、胸の中がひどくモヤモヤした。
 
 
 
「なんつーアホ面かましてんだ、ばか七彩」
 
「……」
 
「おい。人の話聞いてんのか?シカトしてんじゃねぇよ。ばか七彩のくせに」
 
「ねぇ…侑悟…?」
 
「あー…?」
 
「……なんでもない」
 
「はぁ?なんだよ、お前。分けわかんねぇな」
 
 
大好きだといつものように言いたかったけど。
侑悟の机の上に置かれた、明らかに女の子からだと分かる封筒を見たら、胸が苦しくなって言葉が出て来なかった。
 
 
 
侑悟を好きな女の子は校内以外にも沢山沢山いて。
フラれても、それでも好きだと思ってる子たちもいっぱいいるんだよって、親友のまーちゃんから聞いたから。
 
いつかは、「NO」が「YES」になるんじゃないかって、それが恐くて仕方がない。
 

「そういや、七彩。お前、前に古典の問題分かんねぇって言ってただろ?アレ詳しく解いてやったから見とけよ?今日辺り、当たんだろ?」
 
 
あぁ。
やっぱり、あたしはこの人が好き。