足取りは重い。
こんな時、侑悟が傍にいてくれたらいいなと思うけれど…。
 
 
だめ。
あたし、もう少し強くなんないと。
 
 
ぎゅうっと結んだ手にもう一度力を込めて。
あたしは保健室からまたフラフラと教室へと戻った。
 
とりあえず、カバン取りに行かないと。
そう思って、足を引き摺るようにして教室へ戻ると、そこには不機嫌そうな侑悟がいた。
 
 
「おい…。お前顔色悪いぞ?保健室行って来たのか?」
 
 
 
こういう所が、侑悟は優しいと思う。
けど…今のあたしの気持ちじゃ届かない…?
 
 
「んー…。熱、あるから〜。早退すんねぇ〜?じゃぁねぇ〜」
 
 
のんびりとした口調をわざとして、カバンを取ると、ゆっくりと侑悟の横をすり抜けた。
 

 
いつだって、あたしのピンチを救ってくれる、あたしのヒーロー。
だけど、それだけじゃ足らないんだよ?
あたしはすっごく、侑悟が好きだよ…。
 
 
…胸がズキズキして、とっても痛い。
 
 
早くちゃんと伝えないと…。
おかしくなりそうだよ。
 
 
好き過ぎて。