目を開けると、辺りは明るくなっていた。
時計はお昼前を指している。
そうなると、朝食は終わっているみたい。
トイレに行きたいと思い、体を動かす。
今は何も胸に付いていないので、行っても大丈夫そう。
廊下を出てトイレに向かう。
するとすぐに、私の顔を確認した看護師に声をかけられる。
『あ、佐藤さんどうされましたか!?』
「えっと、トイレですけど……。」
『そうなんですね、そしたら私がトイレまで行きますのでね。』
とぴったりと私にくっついてくる看護師に、若干邪魔だな…と思いながらもトイレに向かう。
一人で入り、用を足す。
はぁ、ホント早く帰りたい。回復するまで入院だなんて、いつになることやら…。
そんなことを考えながら、腰を上げて服を整えようとする。
グラッ!!!
ドンッ!
っつーーーーーーーーーー……。
『佐藤さんっ!大丈夫ですか!?』
大丈夫だから、そんな大きな声出したら恥ずかしいでしょうが……。
返事をせずに、扉を開ける。
『どうされたんですか!?』
慌てる看護師に、
「大丈夫です、目眩がしただけですよ。」
と言うと、今度はガッチリ腕を掴まれ、部屋に向かった……。
最近、目眩が酷いな。
部屋に着いてベッドに仰向けになる。
頭がグァングァンしてきた…。目を閉じても変わらない。
すると、ノックの音の後に誰かが入って来た。
目を開けられない……。
『起きてるね。一度体を起こせる?』
進藤先生の声……。
今は無理……、手を振って無理だと合図することすらできない。
目頭を押さえたまま。
すると、ベッドが自動で傾いていった。
『ちょっと手をどかすね。』
今はやめて……、と思うけど、すんなり手を外される。
目を開けられる。
うわっ……
頭がフラフラしてきた。
『はい、いいよ。』
と手を離されるのと同時に頭は枕におさまり、再び手で目頭を抑える。
治って。この変な感じ……。
乗っていないのに、船酔いしているみたい。
地上にいるのに船の上にいるみたいに揺れている。
『ひどい貧血だ……。』
看護師に貧血に効く薬を支持している。
早く治って……。



