「ゲホッゲボ、ゲホッゲボゲホゲホゲホゲホッ!」
パッと目がさめると、口の中にまだご飯が残っている。
そしてその直後、ご飯が喉の奥に入り込み、咳が出てきた。
「ゲホゲホゲホゲホ」
発作よりもご飯が詰まった感がひどい。
「カアッ!」
何度か力強く吐き出そうとするけど、どこかに入ってしまった米粒。
お茶を飲み込んで、口の中だけでも綺麗にする。
「ゲホッゲボ、ゲホゲホゲホゲホ!
はぁはぁはぁ、ゲホッゲボ、ゲホッゲボ、ゲホッゲボ!」
と次第に咳が止まらなくなってきた。
これはヤバイ……。久しぶりに酷い咳が出てきた。
「ゲホゲホゲホゲホ、ゲホゲホゲホゲホ!」
ガラッ!
勢いよく扉が開くと、入ってきたのは担当の看護師さん。
『大丈夫ですか!?今先生呼びますね。』
「ゲホッゲボ!ゲホッゲボ!ゲホッゲボ!」
『落ち着いてくださいね。ゆっくり呼吸しましょう。』
冷静に指示する看護師をよそに、全くセーブが利かなくなった私。
呼吸がどんどんできなくなって、首より上に力が入っていくのがわかる。
『落ち着くんですよー!』
冷静さを保っていた看護師に焦りが出てきたことがわかる。
ナースコールで応援を呼び続けている。
『うっ……うぅっ。』
く、苦しぃ…………。
次第に目の前の映像が見えにくくなる。
『落ち着くよー。
はい。代わるね』
と誰が来たのか顔を確認できない。
でも進藤先生の声。
『目を開けて、目をちゃんと開けて!』
苦しくってもう今にも意識が飛びそう……と思っていると、次第に咳が落ち着いてきた。
「はぁはぁはぁ」
ようやく目を開けると、胸を聴診する進藤先生の姿。
ツーン
鼻の奥が痛む。
鼻筋を抑えると、
『アゴ上げて。』
と頬を両手で挟まれ、顔を上にされる。
『耳鼻科の当直医、まだ残ってるかな?呼んでくれる?』
看護師に指示する進藤先生。
特に声をかけられる訳でもなく、手際よく処置されている。



