『ほら、大丈夫だったろ?』 廊下を出ると医局長が待っていてくれた。 私は満面の笑みで 「はい!」 と答えた。 本当に全てが変わったんだと、確信した。 あの事件から何年も経っているのに、私の心はいつまでもあの事件が心のどこかに眠っていた。 でも、もう終わったことなんだと感じると共に、あの悪夢、いや私の過去を見たことも思い出せないほど既に心は晴れやかになっていた。