その頃、弘輔は一旦は乾いた涙がまた溢れだしていた。
先程の美佐子の怒りが、あまりにも凄まじかったので、怖かったのだ。
それは、弘輔に向けられたものではなかったけれど、ウソをついた弘輔を美佐子は冷めた目で見つめていた。
(怖い。)
そう思うといても立ってもいられなくなり、火菜の部屋をおとずれていた。
火菜と弘輔は実の姉弟だ。
勿論、弘輔はその事を知らないが、火菜には懐いていた。
火菜はやっとで泣き止んだ弘輔に、
「何があったか、お姉ちゃんに話してごらん。」
と優しく言った。
弘輔は、コクンと頷くと、今日、病院であった出来事から話し始めた。
「うん。僕、病院で見たんだよ…」
弘輔には、まだその事がいかに大事な事で、そして火菜たちを追い詰めたかは理解出来ない。
私だって今かなりの衝撃を受けている。
勇の母親の弥生さんが、まともだったなんて!
そして、中条を見舞う事に何の意味があるのか!
しかも、美佐子がそれを知り、激怒している。
火菜は言い様のない不安に駆られたが、今はもうすぐ離れ離れになって、二度とあえなくなるであろう弟。
先程の美佐子の怒りが、あまりにも凄まじかったので、怖かったのだ。
それは、弘輔に向けられたものではなかったけれど、ウソをついた弘輔を美佐子は冷めた目で見つめていた。
(怖い。)
そう思うといても立ってもいられなくなり、火菜の部屋をおとずれていた。
火菜と弘輔は実の姉弟だ。
勿論、弘輔はその事を知らないが、火菜には懐いていた。
火菜はやっとで泣き止んだ弘輔に、
「何があったか、お姉ちゃんに話してごらん。」
と優しく言った。
弘輔は、コクンと頷くと、今日、病院であった出来事から話し始めた。
「うん。僕、病院で見たんだよ…」
弘輔には、まだその事がいかに大事な事で、そして火菜たちを追い詰めたかは理解出来ない。
私だって今かなりの衝撃を受けている。
勇の母親の弥生さんが、まともだったなんて!
そして、中条を見舞う事に何の意味があるのか!
しかも、美佐子がそれを知り、激怒している。
火菜は言い様のない不安に駆られたが、今はもうすぐ離れ離れになって、二度とあえなくなるであろう弟。


