事故…。
あ、調べればすぐでてくるじゃん。
「ごめん、小羽音、ちょっとまって。」
「別にいいけど、もう呼び捨てなんだね。」
…ほんとだ、無意識だった。なんか、小羽音って呼びなれてるんだよな…。
「ごめん、」
「まぁ、いいけど。」

『〇〇町 事故 』
よしっ、検索っと。
小さな町だから俺が来た時は全くといっていいほど事故がなかった。だから今回、小羽音が言っている事故もすぐに見つけられると思っていた。

「あ、でてきた。」
みつけたのは、今から9~10年前の年だった。

『飲酒運転で女子児童一人死亡』
『被害者は橘小羽音ちゃん(当時6歳)』

嘘だろ…!?なんだよ、この記事!
これが、小羽音の言ってた事故のことなのか!?これ、俺が引越してすぐじゃねーか!
ん?引越してすぐ?俺、引っ越す前は、誰と友達だった?俺のその時の性格はかなりひねくれていて友達は1人しかいなかった。それはとても大切な人で…。

「あ…なんで、今まで…なんでっ!」
「思い出した?月星。」
「小羽音!お前…死んでたんだな…。俺が引越してすぐに。全部思い出したよ。」
「そっか…。」
「俺、小羽音が死んだって聞いて、嘘だって、信じたくなくて…!…結局、葬式も行けなくて、そっからしばらく、部屋にこもってた。こんなの悪い夢だって!そう自分に言い聞かせて!悪い夢は早く忘れろって!…そうしたら、本当に忘れていたんだ…。」