君はどこ?

「じゃあ、行ってきます!」

「気をつけてね…行ってらっしゃい!」

「はい、夜には帰ってきます!」
そう言って俺は家をでた。

…あの場所。俺と小羽音しか知らない秘密基地。木の上にあって意外と気づかれないし、木がしっかりしてるからよくそこで遊んでいた。

「ついた…。」

あの時と変わらない、秘密基地。もちろん、物はなくなってるけど。

その木に1人で座っている少女がいた。

「小羽音…。」

「え…!?なんで…月星がいるの…?」

「俺はお前を二度と忘れないよ。」

「そんなっ、私は月星のことを忘れて、未練なくして、成仏しようと思ったのに…。」

「それ、忘れてるだけだろ、未練、なくなってないぞ。…なぁ、小羽音、俺、お前の分まで生きるよ。なぁ、だからさ、また生き返って一緒に遊ぼうぜ。」

「月星…。」