「え?」



き、聞こえてた!?



「誰のこと好きって?」



聞こえてたみたいで
あたしに近づいてる琉磨くん。



「冬也とかいうやつのこと?」



そのまま壁に追いやられる。



「や、違っ」


「なんでそんな赤くなってんの?冬也ってやつが好きだからだろ?」



琉磨くんとあたしの距離はもうちょっとしたら唇が触れちゃいそうなぐらい。


赤くなってるのは
琉磨くんの顔が目の前にあるからだよ。



「そんな顔するお前知らない」



ふっと顔を逸らす。



「え?」


「俺の知らないお前なんて見せるなよ」



そう告げる彼はどこか悲しげで。



「琉磨くん?」



気づいたら琉磨くんの頬に手を伸ばしてた。