「待って!琉磨くん!」



あたしは琉磨くんの腕を掴む。



「来てよ。お願い」


「触んなって」



あたしの腕を思いっきり振り払われる。



「じゃあ触らないでほしいなら来て」


「なんで、そんなに必死なんだよ。冬也ってやつのため?頼まれたから?」



琉磨くんが不機嫌そうにあたしを見る。



「冬也先輩に頼まれたから」



それだけじゃないけど。
あたしが琉磨くんを好きだから。
近くにいたい。


こんな事言ったら来てくれなくなるから。



「ふーん。そいつが好きなんだ」



さっきとは違って何かを含めたような笑いを浮かべる。



「そんなんじゃない」


あたしはただ
琉磨くんに来て欲しいだけ。