【完】はやくおいでよ、琉磨くん

「研究室で研究すんのはじめてだわ」


「いままでどうしてたの?」


「講堂とかで独自に、な」


「普通できないよ」


あたしの言葉にふっと顔を緩める。



「まぁ、普通にやりにくいよな。ずーっとそれをやってた」


「頑固なんだから」


「会ったら好きって気持ちが増すって分かってたからさ」



琉磨くんの言葉に顔が赤くなるのがわかる。



「これからはサボらないですむね」


「あぁ」


「サボり魔研究生は卒業だね」



すっごい遠回りしたけど。
でも、これがあったからこんなにも相手が大切なってわかったの。
これがなかったら普通に扱って、大切にできなかったかもしれない。


「お、お前ら…」



研究室に入ると冬也先輩の視線があたしたちの手にいく。



「あら、二人付き合いだしたんだ?」



明音さんもニコッと笑う。