【完】はやくおいでよ、琉磨くん

「でも、なんで離れる必要があったの？」


「高校のときからさ、俺のこと好きなやつに嫌がらせされたりしてたじゃん」


「うん」


「それなら離れたらされないよなって」


「バカじゃないの！？」



琉磨くんの頭を叩く。



「バカってなんだよ」


「誰になにをされたっていい。もっと琉磨くんといたかった！」



琉磨くんがあたしの頬に触れる。



「卒業式に告ってきたやつがさ、お前と離れないとお前になにするかわかんねぇって。それで守るために離れたほうがいいって」


「なんだそんなこと？」



あたしの言葉に琉磨くんが目を丸くする。



「そんなことって、おい」


「だって、そんなの何されたって琉磨くんがあたしのこと守ればよかったじゃん」


「そう、だな」



琉磨くんがコツンとあたしのおでこに自分よおでこをくっつける。