【完】はやくおいでよ、琉磨くん

【Haruka Side】



━━バタンッ



中庭のドアを開ける激しい音。



「…っ」



振り向くとそこには琉磨くん。


涙が見られ内容に慌てて前を向く。



「泣いてんの?」



琉磨くんがそっと隣に座る。



「泣いてない」


「なんで泣いてんの?」


「だから泣いてないって」



いつになく優しい言い方にくすぐったくなる。



「あのさー、お前のことなんてすぐ分かるの」


「え?」


「どれだけ長いことお前のこと見てると思ってんだよ」



あたしの顔をのぞき込む瞳にいつもの冷たさはない。



「琉磨くん?」


「おまえが泣いてんのって俺のせい?」



あたしの頬に琉磨くんの手が触れる。