【完】はやくおいでよ、琉磨くん

『や、違っ』



〝違う 〟って否定しながらも顔を赤くする遥に俺の心の中は乱されるばかり。



『なんでそんな赤くなってんの?冬也ってやつが好きだからだろ?』



赤くなってもう爆発しそうじゃん。
あいつを好きって気持ち溢れてんなよ。
こんなお前見たことない。
俺とあの日キスしたときだってこんなに赤くなかったじゃねぇか。



『そんな顔するお前知らない』


『え?』



『俺の知らないお前なんて見せるなよ』



こいつをぜんぶ自分だけのものにできたらいいのに。
そんな独占欲しか湧いてこなくて。
自分はどうかしてしまったんだと理解する。



『琉磨くん?』



遥の手が俺の頬に伸びてくる。



は?
なに、してんの?

自分でも顔が赤くなってるってことが分かるぐらいに赤くなっている。



『琉磨くん、顔…』



『離せ』



俺は遥から思いっきり顔を背ける。