『そろそろ連れてこいって言われたから』


『仕方なくって?』



冬也先輩
冬也先輩
冬也先輩


こいつの頭ん中は冬也ってやつのことしかないのかよ。
マジでイライラする。
なんで俺でいっぱいになんねぇんだよ。



『…仕方なくっていうか』


『お前なんか見たくないんだよ。失せろ』



遥の顔を見ないようにする。
見れねぇよ。
傷つけてるのなんてわかってる。



『お願い!あたしのためじゃなくて冬也先輩のために!』



遥ががたっと隣に座ってくる。



『なんだよ…隣に座るなよ!』



心臓がやばくなりそうで立ち上がる。

前なら隣にいるのなんて当たり前だったのに。
もう遥のことは好きじゃないって思ってたのに。
近くにきたら簡単に思い知らされる。
こいつが大好きだって。