「泣くなんて…」



ぼーっと屋上で空を眺める。



『やっぱり俺、お前嫌い』



さっきの琉磨くんの言葉が何度もリピートされる。


それと一緒に脳裏に浮かぶあの日の光景。



『俺、大学ではお前の近くにいかないから』



あの日彼の口から告げられた絶縁宣言。



『どうして?』



そう聞いたあたしに。



━━チュッ



軽くキスをしたよね。



『俺、彼女いるから。ばいばい』



それが彼と話した最後。
そのままあたしの部屋からいなくなった。


あたしはたくさん泣いたんだよ。
だってなんでキスしたの?

そう聞きたかったのに
LINEもすべてブロックされてて。
通ずる手段なんてなにもなかった。


…嫌われてたんだね。
まぁ、そうだよね。
じゃないとブロックなんてしないか。