━━グイッ



肩に重みを感じてひっぱられる。



「りゅ、琉磨くん!?」



あたしの肩を掴んでいたのは琉磨くん。
すごい不機嫌な顔をして。



「やっぱり俺、お前嫌い」



それだけ言うと手を離して研究室から出てく。



「おい!但野!」



冬也先輩が呼ぶけどそのまんま行ってしまった。



「春日?」



冬也先輩があたしの顔をのぞき込む。



「大丈夫か?」


「え?」


「お前…泣いて…」



そんなわけ…



「あっ…」



気づいたら涙が出ていた。



「ちょっと頭冷やして来ます」



琉磨くんと同じように研究室を出る。



「優良研究生も恋になると不安定ね…」



後ろでそう呟いていたなんて聞こえてはいなかった。