しばらくすると話し終わったのか、三人は思い思いに口を開いた。


「俺お団子」


と、大雅。


「俺ポニーテール」


弘樹。


「俺ショート」


隼人。


三人は一人一人挙手して言っていた。見るからにアホらしい。


「よっしゃ晃平行くぞ!」


するといきなり三人は立ち上がり、大雅が俺に呼びかけた。俺は寝ながら顔だけを大雅の方に向けて返事をする。


「何だよ、行くってどこへ」


大雅は気持ちが先へ先へと行っているのか、足踏みをしている。


「ナンパに決まってんだろ」


目を輝かせながら言う大雅に冷めた目を向ける。


「ナンパ?はいはい、どうぞご勝手に」


「何言ってんだよ!女の子一人余ってんだよ!

お前も参加してもらわなきゃ困る!」


はぁ?


なんとも勝手な都合だ。そんなの行くわけない。


断ろうとすると、白い歯を見せて笑う大雅が言った。


「課金カード買ってやるから」


「誰だ?」


「上着着てる子」